IZURU / ARAWA

Product Design2024.06-09
IZURU / ARAWA


「伝統工芸を現代の生活にどう取り入れるか」というテーマのもと、大学のプロジェクト〈伝統の虫〉に参加し、竹工芸の職人とともに制作した照明作品。

実際に工房に通い、編みの技法を学びながら対話を重ねる中で、竹の持つ繊細さやしなやかな曲線美を現代的にどう際立たせるかを探った。
本作では、伝統的な「輪弧編み」と「ござ目編み」の2つの技法に着目し、それらと3Dプリンターによる異素材の編み込みを組み合わせることで、竹の新たな表情を引き出す実験を行った。

《IZURU》は、「輪弧編み」の放射状に広がる竹ひごのラインに沿って、竹籤を一定のリズムで通すループ構造を設計。接着剤を使わずに組み上げることで、竹ひご一本一本の存在感が際立つようデザインされている。

対照的に、《ARAWA》では、「ござ目編み」の技法を応用。縦糸に竹、横糸にフィラメントを用いることで、異素材が織りなす伸びやかな風合いと構造的な軽やかさを表現した。
伝統とデジタル、素材と構造のあいだを編み直すような、実験的かつ実用性を意識したプロダクトデザインの試みである。




TRADITION for TOMORROW: KYOTO CRAFTS and DESIGN COMPETITION 2024-2025展 学生部門展示作品